訪問レポート

【調布弁天湯】商店街に佇むみんなの憩いの場・茶褐色の湯に入ってきた

蒲田で日帰り黒湯温泉を楽しみたい!

今回は蒲田から東急池上線に乗って5駅、御嶽山駅の温泉銭湯『調布弁天湯』に行ってみることに。

飲食スペースや宴会場などはない、いたって普通の街の銭湯。それでもしっかり温泉に入れるところに、大田区蒲田の底力を感じる。

駅から徒歩2分!ふらっと商店街散策もおすすめ。

東急池上線に乗って5駅、「御嶽山(おんたけさん)」。駅周辺は、こじんまりとしながらも活気ある商店街だ。

商店街の端には、御嶽神社。本殿は大田区の文化財に指定されており、外から見られる壁の彫刻も見事。境内の奥には小さな森があり、商店街から境内に入ると、ピンとした静謐な空気を感じる。御嶽山駅で下車したらぜひ訪れたい神社だ。

今回訪れる調布弁天湯は御嶽神社から線路を渡った反対側で、駅から徒歩2分ほどの場所。

それほど大きくない商店街なので、端からのんびり散策してみるのもよさそうだ。

古き良き、銭湯萌えポイントもたくさん!

池上線沿いに歩いていくと、すぐにたどり着いた調布弁天湯。白いビル型の建物だ。

フロント式の入り口を抜けて脱衣所に入れば、昔ながらの銭湯の景色が広がる。つやつやに光る板張りの床、懐かしい雰囲気のロッカー、目盛り式の体重計。

平日の夕方は、地元の人たちでにぎわっていた。こういう銭湯が地域で愛されているのが、なんとも大田区らしい。

浴室に入ると鮮やかなタイル絵が目に飛び込んでくる。男湯はオレンジのタイルに鶴が飛び立つ絵柄。女湯は熱帯魚が泳ぎ回る海の絵柄。ここは定番の富士山ではないらしい。

男湯と女湯の間の壁には、電飾?で光る絵が配置されていた。こういった謎の調度品(店主の趣味?)も、スーパー銭湯や新しい温浴施設にはない、銭湯の楽しみではある。

温泉は茶褐色の黒湯。温度は熱め。

それではいざ温泉へ。温泉浴槽はひとつで、色は淡い茶褐色。「蒲田の黒湯」をイメージしていくと、薄いと感じるだろう。温度はしっかり熱め。温度計は43度を指していた。

たっぷりのお湯があふれるくらいに満たされており、じっくり体を伸ばしながら入る。疲れがお湯に溶けてゆく。こんな普通の街の銭湯に温泉があるのは、やはり恵まれた地区だなあと思う。

温泉以外の浴槽は、ジェットやバイブラなど。サウナも100円で入れる。残念ながら水風呂はないのだが、そのかわりに(?)『水シャワー』というのがあった。小さめのシャワーブースで、カーテンをしめてスイッチを押すと、上から壁から水のシャワーが吹き付ける仕組み。けっこう楽しい。

地元のおばちゃんたちのおしゃべりをBGMに、温泉と水シャワーを交互に楽しんで満喫。

脱衣所やロビーには、ぶら下がり健康器やマッサージグッズなど健康器具がいろいろ置いてあった。連れが出てくるのを待ちながら、いぼいぼの足つぼマットやマッサージ棒を試してみる。こういうなんでもない時間が、忙しい毎日の中では貴重な時間なのだ。

仕事の疲れもすっかりとれて、調布弁天湯をあとにした。日常の延長に温泉がある生活はいい。地元の人に混じって蒲田の温泉文化を感じるには、おすすめの銭湯だ。

(2019年9月訪問)

*東京都浴場組合のサイトでは、「不定休」となっていたが、週休2日で営業されているよう。行く前に電話で確認するのがよいだろう。

▶調布弁天湯